夏休みのうちに

うちの研究室は今週いっぱい、夏休み。今のうちに、論文のリバイズなどもろもろ片づけよう。昨日と今日で2つ片づけた。明日中にもう一つ片づける。書くべき論文も3つある。うち一つ、科研までにアクセプトが欲しい。間に合うのか?急ごう! 昨日は医学部の…

高木先生追悼講演会

先々代の教授である高木誠先生の追悼講演会に参加してきた。僕は高木先生の講義に魅せられて研究室に配属された。高木先生は安住することを嫌い、テーマをどんどん変えてこられた方である。先見性があったのに、分野として認知される前に、次のテーマに移っ…

研究を競争に勝つためにやっている、東北大総長の二重投稿

私の仕事に対するモチベーションは人の役に立ちたいとか、人類共通の知としてのサイエンスの進歩のためとか、高尚なものはあるが、競争に勝ちたいという個人的なものが一番大きい。高尚であらねばならないと考えると、体が動かなくなる。 東北大の井上総長が…

分子生物学はサッカーde化学は野球

12月7〜9日と分子生物学会・生化学会にはじめて参加してきた。自身の研究に生かせるような基礎研究の最近の成果を学ぶためである。そこで感じたのは、この学会は世界とつながっているということだ。英語のセッションがあるのに驚いたし、これならば海外の研…

分野を変えるの楽しさ

最近、自身の研究に関する勉強が楽しい。分子生物学の基礎知識が出来上がってきて、ようやくそれらを自分の研究と関連づけてアイデアを出せるようになったからだろう。すでに今の研究室に着任して5年、「遅いちゅうねん!」という突っ込みが入りそうだ。僕の…

勉強の仕方

野口悠紀夫氏の超勉強法をはじめ、広く受け入れられた勉強のハウツーものがある。これまでハウツーものへの反発心からまじめには読んでこなかった。考えてみれば、一流の学者の勉強法はためになるところがきっとあるはずである。また、その勉強法は、自分に…

今敏さん逝く

これまであまり知名度はなかったが、ポスト・ジブリにおいては、間違いなく日本でもっとも有名な監督になったであろう今敏さんががんで亡くなったことを今日、知った。氏のブログで「さよなら」と題された遺言を涙をこらえつつ読んだ。抗がん剤による治療を…

一族結集して13名

夏休みを一週間ほどとり、前半を自分の実家、後半を家内の実家で過ごした。家内の実家では、両親と3兄妹の家族が集合して、全員で13名となる。大賑わいで、たいへん楽しかった。戦後しばらくはこういう大家族はいたるところにあっただろう。一族で誰かが心…

化学のフロンティア

サイエンスとしての化学にフロンティアがあるのか?だれもが思うような明白なフロンティアはないような気がする。 どうして癌になるのかとか、どうして星は生まれるのかとかは、明白なサイエンスのフロンティアだが、これらは医学・生物学のフロンティアであ…

垂れ流しのわがブログ

つれづれなるままに、一日の出来事や自分の考えをブログに書くのは、垂れ流しであり、恥ずかしいことではないのか、何かテーマを設定するべきではないかと思い悩み、ブログの更新を怠ってきた。漠然と考えてきたが、結論は得られない。ブログの利点は、ネッ…

桂枝雀の語る生命の進化

桂枝雀が好きである。努力家という気がします。彼がなんと「生命の進化」についての落語の枕を作っていました。とても面白い。授業で進化を教えるときに、僕が下手に教えるより、これを見せた方がよいかもしれない。 よろしければどうぞ。 http://www.youtub…

ホワイトサイズ先生インタビュー

現代化学という雑誌の4月号に現在、もっとも有名な化学者の一人のホワイトサイズ先生のインタビューがあった。研究テーマの設定の仕方など示唆に富んでいた。特に私の印象に残ったのは以下の部分: 化学者が大きな問題に対処していないことです。物理学者は…

論文投稿

年末から集中して書いてきた論文一つと、リバイズ一つを先週出し終えた。共同研究者である博士学生の完成稿を受け取ってから、それを決定稿にするまでに長時間を要した。彼はなかなか完成しないので、やきもきしたようだが、まあ仕方ない。 論文を書くのにか…

開墾者としての研究者

一つの研究を終えるたびに、「ああ、また地続きで理解できる領域が広がった」という感慨がある。原野を一生懸命整地して、耕作地に変えるような気分であり、開墾者の喜びに似ているかもと思う。研究して出てきた結果の意味は最初はよく分からない。期待した…

学生と論文を作り上げる方法(模索中)

学生とディスカッションを重ね、第一稿を書いてもらった。それを見せてもらって、これでは掘り下げが足りないなと気づいたのが約一月前。その学生は具体的に何が足りないのか聞かれるが、僕はうまく説明できなかった。その分野の論文を書くのがはじめてだか…

小説のDirection、研究のdirection

大江健三郎さんと小澤征じさんの対談「同じ年に生まれて」を読んだ。そこで大江さんの小説が一般の日本の作家と違うところとして、direction(物語がどういうゴールに向けて書かれたものかを最初に示すこと)を明確にすることを挙げていた。日本の作家は一般…

招待講演の準備

ある学会の九州地区の講演会で招待講演をおおせつかる。ありがたいこと。発表はあさってに迫ったので、昨日からスライドを作っている。かつての仕事を改めて眺めると、あらばかり目立ちしまいには逃げ出したくなる。それぞれの仕事を論文にした時点では充足…

仕分けに対して意見を送った

事業仕分けで若手研究育成の減額が決まったとのこと。先ほど副大臣と政務官宛に抗議のメールを送った。 - 中川正春担当副大臣殿、後藤斎政務官殿事業仕分けにおける競争的資金(若手研究育成)の縮減について若手としてご意見申し上げます。実績のない若手に…

宮崎駿と高畑勲に学ぶ正しい研究の進め方

やりながら考える宮崎に対して、理詰めの高畑。ともすればイメージの魅力だけで暴走してしまう宮崎は高畑など批判者とのせめぎあいの中で初期の傑作群を作ったとの指摘がある。一方で、批判者が居なくなってからは圧倒的なイマジネーションという宮崎の良さ…

塞翁が馬

今の社会状況は相当に厳しいと思う。将来の改善を予感させる種も今のところ見つからない。研究者を取り巻く環境も同様だ。ここ1年ほど鬱々として楽しめない。発展することが善だとは思えなくなってきた。 ただ、昔の人はよいことを言った。人生万事塞翁が馬…

モラトリアムの終わり

助教9年目を迎えトウが立つ前に、そろそろ僕のモラトリアム時代を終わりにしなければならない。今まで上の世代のことを批判していればよかったが、これからはそれらの批判に対する自分なりの回答を示さなければならない。つぶれない程度に自分にプレッシャー…

自己実現的研究とセカイ系

セカイ系とはエバンゲリオン以降の文学やアニメの潮流であり、世界と自分が等価にあるもの。古典的な私小説とは違い、自分の危機が世界の危機と直結している。つまり「他者」とか「社会」が欠落しているものを言うらしい。 昔の研究者は社会的要請とか、ライ…

研究費バブル

1980年代後半から90年代前半、日本はバブルに沸いた。当時、僕は高校生〜大学1年であったがそれなりに景気がよいことを実感していた。財テクブームなるものがあり、うちの父親も遠く離れた福岡のマンションを購入した。また、バイト先(小さな弁当屋)の経営…

帰国から一週間

先週木曜夜、日本に無事帰ってきた。アメリカになれるのにあれだけ苦労したのに、日本に帰ってきて落ち着くのは一瞬だった。母国はいいものだ。本当に一瞬で日本モードに切り替わった。たとえば、アメリカでは知らない人に対しても道ですれ違うときは微笑し…

適正な研究費

下記の日記を9月15日ころアップの予定だったが、パソコンの調子が悪くてできなかったので、今ごろアップ - 大学の独法化以降、研究費の傾斜配分に拍車がかかり、富めるものはますます富む状況にある。僕が学生のころに比べて、随分と研究費は潤沢になった。…

能力の差か、経験の差かの判断

大学4年生の頃、大学の研究者としてやっていきたいと思いはじめた。そして良い研究をしている先生と自分との大きな差に愕然として悩んだ。あの高みに将来到達できるのかどうか不安であった。思えばこのとき、能力の差と経験の差を区別せずに考えていた。目標…

最後のラボミーティング終了

昨日終わった。Toshとは2週間前に打ち合わせして概略は伝えてあるので、より突っ込んだ議論ができてよかった。質問も良く出たが、論文モードでデータを取っているため準備が出来ていて、実験結果から答えられることと答えられないことの判断がすでについてい…

あと一ヶ月、Aさん来米

いまだもう一つのテーマについてはオチがつかない。不本意ながら適当なところでまとめて無理やりオチをつけることにした。先日Toshに相談すると悪くないオチとの評価。「まあこれでいいや」と思っていたら、後日、相談に行くとin vivoを加えてもっと良い論文…

あと2ヶ月

いよいよ帰国まであと二ヶ月。一つ目のテーマについては論文に向けてストーリーが固まってきた。まだ詰めなくちゃいけないところは多いが、ストーリーが固まると気分は晴れる。ついこの間まで先が見えず、逃げ出したいくらい追い込まれていたのに、ここ数週…

Orlando観光

先週は一週間休暇を取って、フロリダのOrlando観光へ行ってきた。研究が思うようにはかどっていなかったので、あまり気乗りしていなかったのだが、行ってみるとそういうことは忘れて楽しむことができた。よい気分転換になった。ディズニーワールドに、シーワ…