研究を競争に勝つためにやっている、東北大総長の二重投稿

 私の仕事に対するモチベーションは人の役に立ちたいとか、人類共通の知としてのサイエンスの進歩のためとか、高尚なものはあるが、競争に勝ちたいという個人的なものが一番大きい。高尚であらねばならないと考えると、体が動かなくなる。
 東北大の井上総長が二重投稿とのこと。報道によれば会議論文(プロシーディング)に掲載したのと同じものを、一流雑誌にも掲載させたとのこと。実は同様の事例を私の分野でも見たことがあり、それほど珍しいことではないと思う。こんなことをやってもそのときは幸せかもしれないが、いつかばれるかもしれないし、表には出なくても研究者の間でそういう噂は伝わるものである。研究者として、後世に対して正しい情報を伝えていかねばならないのに。