2010-01-01から1年間の記事一覧

分子生物学はサッカーde化学は野球

12月7〜9日と分子生物学会・生化学会にはじめて参加してきた。自身の研究に生かせるような基礎研究の最近の成果を学ぶためである。そこで感じたのは、この学会は世界とつながっているということだ。英語のセッションがあるのに驚いたし、これならば海外の研…

分野を変えるの楽しさ

最近、自身の研究に関する勉強が楽しい。分子生物学の基礎知識が出来上がってきて、ようやくそれらを自分の研究と関連づけてアイデアを出せるようになったからだろう。すでに今の研究室に着任して5年、「遅いちゅうねん!」という突っ込みが入りそうだ。僕の…

勉強の仕方

野口悠紀夫氏の超勉強法をはじめ、広く受け入れられた勉強のハウツーものがある。これまでハウツーものへの反発心からまじめには読んでこなかった。考えてみれば、一流の学者の勉強法はためになるところがきっとあるはずである。また、その勉強法は、自分に…

今敏さん逝く

これまであまり知名度はなかったが、ポスト・ジブリにおいては、間違いなく日本でもっとも有名な監督になったであろう今敏さんががんで亡くなったことを今日、知った。氏のブログで「さよなら」と題された遺言を涙をこらえつつ読んだ。抗がん剤による治療を…

一族結集して13名

夏休みを一週間ほどとり、前半を自分の実家、後半を家内の実家で過ごした。家内の実家では、両親と3兄妹の家族が集合して、全員で13名となる。大賑わいで、たいへん楽しかった。戦後しばらくはこういう大家族はいたるところにあっただろう。一族で誰かが心…

化学のフロンティア

サイエンスとしての化学にフロンティアがあるのか?だれもが思うような明白なフロンティアはないような気がする。 どうして癌になるのかとか、どうして星は生まれるのかとかは、明白なサイエンスのフロンティアだが、これらは医学・生物学のフロンティアであ…

垂れ流しのわがブログ

つれづれなるままに、一日の出来事や自分の考えをブログに書くのは、垂れ流しであり、恥ずかしいことではないのか、何かテーマを設定するべきではないかと思い悩み、ブログの更新を怠ってきた。漠然と考えてきたが、結論は得られない。ブログの利点は、ネッ…

桂枝雀の語る生命の進化

桂枝雀が好きである。努力家という気がします。彼がなんと「生命の進化」についての落語の枕を作っていました。とても面白い。授業で進化を教えるときに、僕が下手に教えるより、これを見せた方がよいかもしれない。 よろしければどうぞ。 http://www.youtub…

ホワイトサイズ先生インタビュー

現代化学という雑誌の4月号に現在、もっとも有名な化学者の一人のホワイトサイズ先生のインタビューがあった。研究テーマの設定の仕方など示唆に富んでいた。特に私の印象に残ったのは以下の部分: 化学者が大きな問題に対処していないことです。物理学者は…

論文投稿

年末から集中して書いてきた論文一つと、リバイズ一つを先週出し終えた。共同研究者である博士学生の完成稿を受け取ってから、それを決定稿にするまでに長時間を要した。彼はなかなか完成しないので、やきもきしたようだが、まあ仕方ない。 論文を書くのにか…

開墾者としての研究者

一つの研究を終えるたびに、「ああ、また地続きで理解できる領域が広がった」という感慨がある。原野を一生懸命整地して、耕作地に変えるような気分であり、開墾者の喜びに似ているかもと思う。研究して出てきた結果の意味は最初はよく分からない。期待した…

学生と論文を作り上げる方法(模索中)

学生とディスカッションを重ね、第一稿を書いてもらった。それを見せてもらって、これでは掘り下げが足りないなと気づいたのが約一月前。その学生は具体的に何が足りないのか聞かれるが、僕はうまく説明できなかった。その分野の論文を書くのがはじめてだか…

小説のDirection、研究のdirection

大江健三郎さんと小澤征じさんの対談「同じ年に生まれて」を読んだ。そこで大江さんの小説が一般の日本の作家と違うところとして、direction(物語がどういうゴールに向けて書かれたものかを最初に示すこと)を明確にすることを挙げていた。日本の作家は一般…