僕の論文の書き方

 今、論文を書いている。徳島のH先生、福井のM先生との共同研究だ。当然だが、僕は論文を書く前にきっちり論理を整理する。考え付く限りの質問を自分に課して、それに対する合理的説明を、文献などを駆使して考え、ノートにまとめる。この現象の本質は?、類似の仕事は?、この研究の新しさは?、などだ。この作業はとても楽しい。自分が地続きで理解できるサイエンスの世界が広がっていくのだから。直感的に面白いとか新しいと思っていることが、論理的に説明できるようになる。ここをなおざりにすると書き出した後で、構成を直さなければならなかったりする。構成の修正は大きな時間のロスだ。
 頭がクリアになったところでようやっと論文を書き始める。僕はいまだに一旦、日本語で書く。なぜなら、論理性こそ論文の命と考えており、いまだ英語で論理を作ることができないからだ。ネイティブのように修辞でごまかすことはできないし。
 なんとか、今日、明日で日本語版を仕上げるぞ。